Contarex bullseye が語る。王様の瞳 〜advocate dallmeyear〜
さぁ、本日は貴婦人と呼ぶにふさわしい
イメージのお仲間の登場で、余もちょいと
浮かれ気味である。
コレは主人のモノでは無く、主人の友達が
企画してくれた街中スナップがきっかけで
知り合ったご婦人の相棒。
偶然にもこの日、主人は余を使う傍ら、
Sonyのデジカメにこのレンズだけを装着して
写真を楽しんでおったのじゃ。
主人も身近で本物を見て非常にはしゃいで
周りに迷惑をかけていたようじゃ。🙇
歳を考えて欲しいのぉ。
この貴婦人。英国はイルフォード社が1949年
にリリースしたもので、金属ボディーを覆う
エナメル塗装とその白さが目をひく美人じゃ。
黒や銀色が多い仲間の中では異彩を放っておる
のは言うまでもない。
お名前のadvocateと言う通り、何か主張がある
お姿じゃ。
しかも、このご婦人の目は英国名門dallmeyear
の35mmレンズ。
当時のこのテのカメラのレンズは50mm が
標準じゃったから、立派に広角レンズじゃ。
おそらく35mm版のレンズ固定式カメラでは
世界初搭載かも知れん。
失礼して中を覗いてみると、コレまたフィルム
を出し入れしやすい様な工夫がされておる。
他に紹介したいお作法もあるが、それは
またの機会にしようかの。
本来ならフィルムで撮影した写真をご紹介
すべきじゃろうが、デジで撮った画像でも
レンズの素性は楽しんで頂けると思うので、
主人がデジで撮った街スナップで見てみる
としよう。
絞りは開放のf/3.5から5.6の間を主に使って
、ISO100でSSで明るさのコントロールをして
おる。現像はシルキーピクスでポートレート
でも使うオリジナルのパラメータを適用して
おる。ややクラシックな感じじゃがシャープ
ネスはデフォルトでかけていない。
で、開放で撮るとやや周辺の光量落ちと解像の
甘さがあるが、コレがいい雰囲気を醸し出す
のじゃな。
被写体の雰囲気に合わせてアンダーに撮った
り、ハイキーにしたりすると雰囲気はより
マシマシになる。
建物などは線をキッチリ見せて重厚感を
だしたかったから、ほぼf/5.6じゃ。
コレなんかは開放で結構飛ばしたつもりじゃっ
たが意外に落ち着いた感じに見えるの。
コチラは逆にSS上げて、どアンダーなんじゃが
絞り過ぎると周辺減光も改善されてつまら
なくなるので、f/4ちょいくらいで撮っておる。
35mmだけあって被写界深度が出る分シャープ
に見えるの。
コレなんかいい例かも。時刻的にもやや陽が
傾いて壁のトーンが眩しく無くなっておった。
線を出したくてf/5.6で撮ったが、ビネットが
あまり目立たなくなってつまらなかったから、
急遽レンズの前で手で筒を作ってレンズを
囲ってビネットと言うか手の影を写し込んだ
のじゃな。余と違いあまりカネの無い主人
らしい姑息な安上がりテクニックじゃて。
その時代の人や、人の表情を捉えておく事は
時を写す。残す。と言う意味でスナップの大事
な要素である事は心得ておるが、このご時世
第三者が特定出来る写真は出し難い。
いちいち、写り込みの了承を取り付けに追い
かけるのも至難の業。
なので、主人の場合、人が入る写真はスロー
シャッターや顔がモノで隠れてる様な写真しか
撮っておらず、リアリティ的には弱いかも
じゃが、そう言う理屈じゃ。
脱線するが、余で写したこのスナップもマスク
で隠れてる。もあるが、あえて開放で人は前
ボケになっておる。
バスの中の人の顔も実は柱等に被っておる。
コレは偶然では無くて、このタイミングで
撮っておると言う言い訳がましい理由がある。
ところで、今日は余の姿が何処にも無いのは
問題だと思うんじゃが。
それはともかく、余と同じ半世紀前の目で
捉えた風景はやはりどこかノスタルジック
な雰囲気を醸し出すと思うんじゃが。
どうかの?