Laskeypictures’s blog

写真/カメラ/レンズ/ポートレート

レンジファインダーカメラ用ファインダー

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もう、半世紀前のNikon S2と言うレンジファイ

ンダー式のフィルムカメラ

今のカメラはレンズを通して見た画像がその

まま写し込まれる訳だけど、こうしたカメラは

目で覗く窓、ファインダーに写るものとレンズ

が捉える像はイコールでは無い。

ファインダーは便宜的にレンズにはこう写る

ハズ。と計算された窓なんである。

Nikon S2の窓は50mm のレンズを装着した時に

捉えるであろう画角になっているから、35mm

レンズを装着すると、実際に撮れる画角の方

が広く、ファインダーでは確認出来ないことに

なる。

そんな時に、写真にある様な別付けの窓を

カメラに付けて35mmだったら、このくらいの

広さが撮れるんだな。と確認する訳だ。

なんで、今更別付けファインダーか?

たまたま、S2の35mmレンズが手に入ったから

なんだけど、手に入れた後で、「あ、ファイン

ダーが無いや」となった。無くても撮れるん

だけど、有れば便利。

それで、ネットを調べるとNikon純正はなか

なか無いし、あってもわざわざ買うには高価

過ぎる。

それで、ハタ。と思い出した。

父もレンジファインダーのライカを使っていて

父のカメラバッグに得体の知れないパーツが

いろいろ入っていたことを。

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父が使っていたカメラバッグ。存在は覚えて

いたが、父が亡くなってから暫く所在不明で

あったが、少し前に押し入れの奥から発掘

した。

今では、骨董にもならない革製だ。

これを肩からかけて山岳写真なんかを撮って

いたらしい。

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開けると、フィルターやら、やはり革ケースに

入ったライカ用、交換レンズ、露出計、そして

やはりあった。外付けファインダー。しかも

Canon製とNikon純正の2つも。

お宝を発見した気分だ。父よ、ありがとう😊

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左、Nikon製、右、Canon

しかも、両方ともズームで35mmから135mm

までに対応している。当時は135mmでもかなり

の望遠レンズだった。

自分がネィチャー撮影で300mmとか500mm

単焦点レンズを使ってる。と、大砲みたいな

レンズを見せた時の父のビックリした顔が思い

出される。

さて、見つけたはいいが、状態はまあまあ。

レンズに曇りやカビらしき物が見える。

さて、どうするか?

しかし、ここで見つけたのも何かの縁。父が

このファインダーを通して見た光景を見てみた

くなった。

イカ使いの父がライカ純正では無く、なんで

CanonNikonなのか?

カメラバッグを覗き込みながら、推理探偵よろ

しく、生前の父の撮影姿やカメラ話しを思い

返してみる。

自分が写真をやり出したのが遅かったから、父

の話しをいい加減に聞いていたことは悔やまれ

るが、一生懸命思い出してみた。

イカのレンズは35mmと50mm があったが

他にNikonの35mm、Canonの100mmがあった。

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父のライカⅢf とSummicronとSummaron

 

父は生前、ライカのSummicronを褒めていて、

当時、相当高価だったこのレンズをやっとの

想いで買ったようだった。

厳格で頑固を絵に描いたような父だったが、

Summicronの話しをする時はとても嬉しそう

で、普段とのギャップに「なんだ?コイツ」と

子供心に思ったもんである。

で、実はこのズミクロン、家族旅行で自分が

写真を撮った後、割れてしまった。

ちょっと脱線するが、当然、父は私が落とした

と思ったらしい。しかし、自分は父が大切に

してるカメラとレンズを何も言わずに使わせて

くれているから、尚更大事に扱っていて、落と

したり、ぶつけた記憶は無い。それが証拠に

カメラの底蓋やレンズの鏡胴には傷ひとつ無

い。しかし、レンズはメチャメチャと言う

くらい酷い割れ方をしていて、言い争いに

なった。父は割ったことを怒っているのでは

無く、私が嘘をついている。と思い、それに

腹を立てていた訳なんだが、本当に心当たりは

無いものの、自分が使った後に割れていたのは

事実で、それは謝るしかなかった。

その後、ライカも不調になり、デジタル一眼レ

フを父にプレゼントしたので、父がライカを使

うことは無くなったが、ライカもズミクロンも

父の存命中に必ず復活させてやろうと思ってい

た。

父は高くつくからやめておけ。と反対したが

イカ専門の職人さんに完全オーバーホール

をしてもらい、次いでに中古のズミクロンも

探してもらって、完全復活したのはレンズを

割ってから20年後だった。

父の亡くなる3年前になんとか間に合い、戻っ

て来たライカとズミクロンを前に、なんだ

かんだ嬉しそうに、スローシャッターが直って

る!セルフタイマーもちゃんと動く!シャッタ

ー幕も新品か?と弄りながら、故障箇所をちゃ

っかり覚えていた。

 

「お前、また使うのか?」と、

 

「使っていいなら使いたいけど」

 

「そしたら、フィルムの入れ方知ってるか?普

 通のカメラと同じじゃ無いんだで。教えて

 やらないかんか。」

 

と、凄く得意そう。

 

フィルムの入れ方、知ってはいたけど、嬉々と

してのフィルムの先端をハサミで切りながらの

フィルム装填のウンチクを黙って聞いておい

た。

そんなだから、このパーツもぞんざいには出来

ない。

きっと最初はズミクロンが買えず、Nikon

35mmを使い、山で使うのにやはり、手の

届くCanonの100mmを買ったんだと思う。

そして、この別付けファインダーも最初は

Nikon用に買い、後から100mmを買う時に

Canon用を買ったんだと思う。

なぜ、Nikonをそのまま使わなかったのか?

は、多分、ファインダーの仕組みが後から

買ったCanonの方が使い易かったのでは無い

かな?

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Nikon製はファインダー首根っこ部分に小さな

距離調整ダイヤルがあるが、小さくて使い難い。

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一方、Canon製はご覧の通り撮影レンズの

ような仕様で使い易い。ただし、大きい。

双方パララックス修正のため、距離計でファイ

ンダーの角度が微妙に変化する。

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35mm

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50mm 

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100mm

 

と言う事で、長くなったが、コレはなんとか使

わなくてはならん。と思い、自分で分解清掃す

ることにした。

まず、良く観察した上で、分解する毎に写真を

撮って、組み直す時の参考にする。

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レンズほど難しいハズは無いが、光学機器に

変わり無いのと、パーツが小さいので、細心の

注意をしながら。

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やはり、内部のレンズとプリズムにカビ、汚れ

があった。プリズムは張り合わせ部分の一部

にも傷みがあり、コレは手におえそうに無い。

しかし、実用上は問題にならないことが分かっ

たので、触らないでおいた。

不慣れ故、夕飯後にやり出したはいいが、組み

直し終わったのは深夜2時過ぎ。

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それでもどうよ!Nikon製も復活。

外観に腐食なんかはあるけど、キチンと使える

レベルまでは復活させることが出来ました。

いやー、父に見せたかったねー。

で、コイツにね、近年の世の中を覗かせてみよ

うかな?と使うのが今から楽しみです。